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第34回 CM業界は、高齢化社会?

北海道のみなさん、こんにちは。

いま、九州は宮崎にいます。
今日と明日は宮崎県内で、明後日は鹿児島に移動して、延べ10人近くの人を、その人の家や職場で撮影します。

よく、ごく一般の方のところにお邪魔して撮影させていただくと、撮影隊の、あまりの人数の多さにびっくりされます。
ロケハンでお邪魔するときは、ほんの数人。
「では、よろしくお願いします」と言って帰って、本番で戻ってくる時には、いきなりその人数が、30人くらいに膨れ上がっているのですから、驚かれるのも、無理はありません。

カメラマンやディレクター、ヘアーメイクやスタイリストが来ることは、それが撮影である以上、理解しやすい。
それに、何かと連絡を取らせていただき、制作を取り仕切る若い人がいることもわかる。
さらに、偉い人(プロデューサーやクライアント)が加わって、みなさん、せいぜい、7~8人で撮影に来るのかな?と思われるようです。
でも、それは、広告で言えば、グラフィック写真を撮る規模。

ちなみに、今日、宮崎行きの朝一の飛行機に乗るために集まった人数が、約20人。
カメラマンに、アシスタントがふたり、照明技師に、アシスタントが3人、ヘアーメイクにスタイリスト、美術は小道具と大道具、録音に2名、制作会社のスタッフが4名、広告代理店からクリエーティブと営業4名、そしてぼく。
それに、ロケーション・コーディネーターや、車両のドライバー、地元九州の照明と機材のスタッフが、宮崎で合流して、約30人。
今回の撮影のように、カメラにまったく慣れていない、モデルでも役者でもない人を撮るのだから、こじんまりと、小規模で撮影したいと思うのですが、気がつくと、この人数。
カメラをかついで、テレビの取材のように、ぱらぱらと人がやってくることを想像される一般の方が驚かれるのは、無理もありません。

さて、30人も集まった撮影スタッフのなかで、誰が最年長か?と言えば、このぼく。
最近、そういうことが増えました。クライアントや、広告代理店、つまり大きな組織の会社だと、ぼくの歳になれば(今年54歳になったばかり)、もう現場には来ない管理職です。
でも、いつもの撮影現場だと、ぼくより上の世代の、ベテランカメラマンと組むことはしょっちゅう。
60や70を過ぎても、まだ誰よりも忙しく仕事をされているカメラマンが、この業界には何人もいます。と言うより、50歳以上の、経験豊富なベテランカメラマンに仕事が集中する傾向が、いまのCM業界には、あるのだと思います。(ちなみに、今回のロケのカメラマンは、ぼくとほぼ同世代です。)
ぼくが業界に入った頃、すでに第一線だったスタイリストやヘアーメイク、コピーライター、アートディレクターなどで、まだまったく衰えることのないエネルギーをみなぎらせて仕事をしている人とも、相変わらず、よく仕事させてもらっています。逆に言えば、本来ならもっとも忙しいはずの30代くらいの世代に、彼らを脅かす存在が、なかなか現れてこないのだと思います。
時間がない、予算がない、それなのに、クリエーティブで要求されることは、複雑かつ高レベル。そんないまの広告業界で、のびのびと若いクリエーターが育つのは、確かに難しいのかもしれません。

さて、宮崎県の、とある漁港で、年輪を感じさせる、いい顔をした漁師さんに出演してもらい、無事に今日の撮影を終えました。
「オレで、ほんとに、えんかなぁ?テレビに映ったら、どこのじいさんかと思われるんじゃなかね?」と、その漁師さん。
ぼくより2歳下の51歳。
地方で撮影して、ぼくと同世代の人に会うと、いつも、みなさんがあまりに老け込んでいるように見えて、驚かされます。
いや、50も半ばにさしかかったぼくが、老け込む暇もないこの忙しさなのですから、CM業界が、ちょっと異常なのかもしれませんね。


(2008年03月20日)

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