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第30回 最近のCM事情(3)CM離れ

北海道のみなさん、こんにちは。

「最近、どんなCMを作っているの?」
CMディレクターであるぼくにとって、友人知人から、もっともよくされる質問です。
でも、苦手な質問でもあります。
なぜなら、たいていの人は、興味津々という表情でそれを聞いておきながら、最後にこう言うからです。
「ふ~ん、でも最近、CMあまり見てないんだよね。」

ぼくが作るCMが、地味なせいもあるかもしれません。
同じCMでも、よほどインパクトが強いか、何度も繰り返しテレビで目にするか、どちらかでないと記憶に残らないのは確かです。
でも、ぼくの若い頃は、違ったのです。
あまり頻繁にテレビで見なくても、それが印象に残る出来のいいCMであれば、「あ~、見たことあるよ」とか、
「あのCMいいねぇ」なんて、もう少し愛情のある答えが返ってきたものです。
こちらが、恐縮するくらいに。よく見てくれているなぁと、感心することさえありました。

はっきりとしたデータは何もありませんが、どうやらCM離れの傾向は、
生活のなかでパソコンの重要度が増すことに比例しているようです。
それがテレビであれ、パソコンであれ、「モニターを見ている時間」は、人の生活のなかで限られたものです。
パソコンを集中して見ている時間が増えれば、テレビから流れてくる情報に注意が行かないのは、ごく自然なこと。
それでも、テレビ自体はつけていたりするので、どうやらみんな「テレビを見ている気になっている」だけで、
実際には、どんどんテレビ離れ(=CM離れ)が進行しているのだろうと思います。
でも、人を「最近、あまりCMを見ていない」気にさせる理由が、もうひとつあるような気がします。
制作者からすれば、より深刻な理由が。

CMから夢がなくなっている。

そんな気がするのです。
CMを作る仕事自体は、とても面白いものです。
笑いあり、涙あり、ひねったアイデアあり、美しい絵作りあり。
毎回、まったく違うアプローチをするのですから、おもしろくないはずがありません。
でも、おしなべて言えることは、最近のCMには、現実的な設定が多くて、日常から離れた設定がとても少なくなっています。
思い切ったアイデア、わけもなく美しい映像、とにかく笑ってしまうCM。
そんなCMがお茶の間から少なくなっていると思いませんか?
ぼくら制作者の側から言っても、非日常的なユニークな設定、よくこれをクライアントがOKしてくれたと思う意外性のあるアイデア、
大掛かりなセットを組む仕事、海外まで出かけて撮る美しい映像、そんな「夢のある仕事」がとても少なくなっている気がします。
次回は、なぜ、CMから夢がなくなっているのか、制作者の側から見た意見を、もう少しお話ししてみたいと思います。


(2008年02月07日)

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