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第20回 CMができるまで(2)競合か、否か

北海道のみなさん、こんにちは。

さて、今日は、みなさんが普段みているコマーシャルが、どんなふうに企画されるのかについてお話ししてみたいと思います。

テレビCMは、大きく分けて、新製品が出たことを告知するCM、すでにあるブランドがリニューアルしたことを知らせるCM、企業のイメージアップのためのCMがあります。
いずれにせよ、CMを打つ限りは、必ずそこにニュースがあります。
そのニュースを、企業の広告担当者が、広告代理店の担当者を集めて、オリエンテーションするところから、コマーシャルの企画はスタートします。
商品や企業を、どんなイメージでCMに表現したいか、まず、それを制作者たちに伝えてから企画をスタートさせる。まぁ、あたり前のことですよね。
でも、CMの場合、特殊なのは、その発注形態です。

CMの発注形態には、ふた通りあります。競合か、そうでないか。
つまり、同じオリエンテーションを複数の広告代理店にして、企画を発注するケース(=競合)と、あらかじめ決まった広告代理店に(場合によって直接クリエーターに)、制作を発注することを前提に企画を依頼するケース(=そうでない)とがあります。

いずれにせよ、クライアントからCMの企画を依頼されたら、最短で2週間、普通一ヶ月程度で、企画を立ててプレゼンテーションします。
でも、企画は、それが競合かどうかで、様相が一変します。
競合である以上、勝ち負けがあります。
どれくらいクライアントの気持ちや事情を汲み、それを整理したか。
その上で、どれくらい世の中に注目され、消費者に届くプランを考えたか。
ここまでは、競合であるかどうかに関係なく、CMの企画を考える上では、必ず必要なことです。
でも、競合となると、それだけではダメなのです。
企画決定にいちばん影響力を持っていそうな人物(社長や宣伝部長)のリサーチ、競合している代理店やクリエーターの嗜好性、クライアントが何をいちばん気にして企画を決定するかの読み。とにもかくにも、あまたある企画のなかで、どうしたら目立ち、クライアントの気を引くことができるかを徹底して考え抜かなければなりません。
その情報を的確に持っている営業がいるとか、そもそも企画を最大限魅力的にプレゼンテーションできるクリエーターがいるとか、そんなことにも左右されます。

CMを打つ限りは、必ずそこにニュースがある、と最初に書きました。
そのニュースが大きければ大きいほど、クライアントは競合の企画プレゼンテーションを好むようです。
いちばんわかりやすいのは、新製品の発売時や、企業が新しいキャンペーンを始めるとき。この時ばかりは、クライアントはどのように商品や企業イメージを世に出したらいいか、大いに悩みます。代理店にとっても、またとないビジネスチャンス。そのスケールが大きくなればなるほど、これぞ広告業界!というような、熾烈で華やかな競合が繰り広げられます。
そしてその競合に勝ったクリエーターが、どんなに誇らしくうれしい気持ちになるかは、言うまでもありません。

不思議と、CMって、制作者であるぼくらの気持ちが伝わるものなんです。
その分で行くと、なんだか妙に張り切っていて、目立とうと躍起になっているCMがあるとしたら、それは競合で勝った企画のCMに違いありません。
反対に、落ち着いたトーンで、静かに商品のニュースやイメージを語っているCMがあるとしたら、まず間違いなく、競合抜きに企画されたCMでしょう。
(もっとも、常に、大声を張り上げて目立つようなCMが好きなクライアントというのもありますが。)
いずれにせよ、企画が、競合で生まれたか、そうでないか。
それによって、CMの顔つきは、大きく変わってくるものなんです。


(2007年11月08日)

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