北海道のみなさん、こんにちは。
数日前にコンビニに立ち寄ったら、レジの向かいに「北海道・秋の味覚コーナー」という棚が置いてあり、
「北海道産のジャガイモ、チーズやミルクを使った」とアピールするお菓子が並んでいました。
スーパーでは、「秋の味覚・全国の銘菓」コーナーが。
思わず、三方六(帯広・柳月)を買ってしまいました。
秋!ですねぇ。北海道産の商品が、忙しく全国を駆け巡る季節です。
テレビでも、秋のCM、まっさかり。
東京では、紅葉シーズンの京都へいざなうJR東海のCM「そうだ、京都へ行こう」や、
秋の箱根へ、と呼びかける小田急ロマンスカーのCM、
そして、「秋味」や「秋生」をテーマにしたビールのCMなどが、さかんにオンエアーされています。
チョコレートやシチュー、化粧品(基礎化粧品中心の夏に変わって、メイクアップ商品中心へ)、
行楽や運動会シーズンをにらんだビデオカメラやデジカメのCMも、にぎやかです。
秋、という記号を入れるだけで、人の心も商品も動く季節がやってきたのです。
ぼくも、過去、たくさんの秋に向けたCMを作ってきました。
秋、と言えば、なんと言っても紅葉を写すのが常套手段です。
でも、実は、実際の紅葉シーズンに撮影が行われるのは、ごくまれなこと。
たとえば、紅葉の京都を写して、紅葉シーズンにCMを流すためには、
当然のことながら一年前に撮影を終えていなければなりません。
JR東海のCMなどは、もう10年以上も続いているキャンペーンなので、
毎年翌年のためのCM撮影を行い、ストックしておきます。
でも、食品や化粧品、カメラなどとなると、それは、無理。
動きの激しい消費者動向のなか、一年後をにらんで、商品を開発したり、
味やデザインを決めたりするわけにはいかないのです。
CMの撮影も、早くて初夏、たいていは夏真っ盛りの頃になります。
こういう場合、できることはふたつ。
スタジオや日本の屋外で、秋の擬似風景を作って撮影するか、
季節が真逆の南半球に行って撮影するか、です。
秋の擬似風景、と言っても、広い範囲の風景に紅葉を仕込むなどということはできません。
そこで、日が傾いた夕方に撮影したり、画のトーンを、業界用語で言うところのアンバー
系(琥珀色)、つまり、赤や黄色の色味を強く感じるトーンに変えたりします。

過去、ぼくがやったCMで、「いかにも秋」なものを探してみました。
左はハウスシチュー、まん中と右は明治ミルクチョコレートからのワンシーンです。
どちらも、ニュージーランドで撮影されました。
シチューのCMは、日本からわざわざ子どもを連れて行って撮影したので、
言われなければ、日本のどこかにしか見えないと思います。
チョコレートのCMの方は、家や子どもが出ていますから、ちょっと「外国風」です。
どちらのCMも、アンバー系の色を強調して、「いかにも秋」に見える工夫をしています。
(でも、どちらも、ちょっと北海道みたいに見えませんか?)
こんな風に、実際に秋らしい風景を撮れる場所に行って撮影するということは、とても贅沢なことです。
予算の縮小が激しい昨今のCM業界で、そんな贅沢な話は、めったに聞かなくなりました。
何も、そんなに遠くまで行かなくても、ちゃんと秋に撮れさえすれば、すぐ近くに、美しい秋の風景があるのですが、
なかなかモノの売れない時代、来年の計画を立ててCMを撮っておく余裕など、どんな企業にもありません。
いや、仮に、来年用に、秋の紅葉の風景を撮っておこうとなったとしても、実際には、それは至難の業です。
紅葉の美しい季節は、長くて二週間、正確には一週間、それもその年によって大きくずれたりします。
そこに照準を合わせて、前もって撮影のスケジュールを組むのは不可能にちかいものがあります。
ぼくはまだ、北海道の紅葉を見たことがありません。
撮影隊が、秋の北海道へ紅葉を撮りに行ったという話も聞いたことがありません。
なかなか、いいタイミングで出会うのが難しい。
だから、紅葉と秋の風景は、人を贅沢な気持ちにされるのかもしれませんね。
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 第17回 秋のCMは、贅沢。
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