北海道のみなさん、こんにちは。
先週に引き続き、かつてぼくが北海道でロケしたCMの思い出話をしてみようと思います。
今日お話しするのは、前回のカロリーメイトと同じ、大塚製薬の商品、ファイブ・ミニ。これも、10数年前に、富良野・美瑛方面で撮影しました。当時、もっとも撮影の多かった地域ですね。

とうもろこし畑、にんじん畑、麦畑、そしてキャベツ畑でも撮影しました。
出演は、萩原聖人さん。萩原さんが、山田邦子さんの後を継いで、ファイブ・ミニのメイン・キャラクターだった時代が数年あり、そのすべてのCMをぼくが担当させていただいていました。ロス・アンゼルス、四国の四万十川、東京都内(スタジオや都心の街)、いろいろなところで撮影しましたが、訴求するポイントは、いつも「野菜不足」。
ご存知のように、ファイブ・ミニのファイブは、ファイバー(繊維という意味)からきています。都会で生活して、食事が不規則になりがちな人に不足している、食物繊維を豊富に含んだ清涼飲料水、とされています。
つまり、野菜が不足しがちな人は、ファイブ・ミニを飲むといいですよ(とは、もちろん薬事法の規制もあり言えないのですが)と、そんなことをいろいろなシチュエーションで伝えていました。
そして、この時は、いろんな野菜の畑に萩原さんが案山子といっしょに立っていたり、遊んだりする姿をただ撮っただけの、とてもシンプルなCMでした。
こうして見ると、北海道には、ほんとうに絵になる畑がたくさんあるものだと感心します。
かつて、ビールのCMで、ニュージーランド、オーストラリア、ヨーロッパなど、いろいろな国の麦畑をロケハンしたり撮影したりしましたが、北海道の麦畑は風景として秀逸です。傾斜がきつい、狭い、家並みや山がすぐ近くに見える、そんな撮影上ネガティブなポイントが極端に少なく、かつアメリカほど広大過ぎないからです。
それに、麦畑のすぐ近くに、他のさまざまな単一の野菜を育てる広大な畑があるところなど、北海道以外ではあまり見たことがありません。
そして、北海道の畑は、どこか無国籍です。(はい、またまた出ましたね、キ-ワードが。)
とうもろこし畑にソンブレロを被った人が立てばメキシコに、麦畑に白人の農夫が立てばニュージーランドやヨーロッパのどこかに見えるでしょう。収穫の後の麦わらを束がころがる風景は、フランスの田舎そのものだし、広大なトマトやジャガイモの畑ならアメリカにだって見えます。
世界中の、どの国の撮影隊がやってきても、北海道なら、あたかもその国の畑のような画が撮れるはずです。
でも、大手ブランドの、大量に収穫&生産される加工食品が、必ずしも魅力的でなくなり、食品メーカーによる食の安全性を脅かす事件があいついだり、無農薬・有機野菜のブームが静かに広がっているいま、イコンとしての広大な畑の風景は、すこしずつ人々の憧れではなくなっているような気がします。
そして、いま、広告の世界では、どちらかと言うと、懐かしい風景、やすらぎを覚える風景が求められています。
畑で言えば、伝統的な日本家屋や低い山並み、そしてあぜ道のあるような風景、つまり「いかにも日本らしい畑のある風景」です。
もっとも、そんな風景が一体どこにあるのだ?というのが、日本の現実なのですが。
それでも、コーン、トマト、じゃがいも、麦・・・、野菜からできている商品がある限り、畑は、永遠になくならないCM撮影の舞台です。
そして北海道には、明るくて、クセのない、ポジティブで未来志向の畑の風景があります。
それこそ、ニュートラルな畑の風景が広がっています。
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 第13回 ファイブ・ミニの撮影~富良野・美瑛
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